桜色の人鳥

適当理論と小説置き場。たまに日記。小説を読むときはカテゴリ「目次」から。

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即興小説part10【文学的】

脳味噌がどこからか流れ落ちたようです。
集中力の欠落。
妖怪のせいなのね。

時間:15分
お題:ドイツ式のガール
要素:文学

【文学的】
 彼女はとても文学的である。それは彼女自身自他共に認める事であり、私もそう思う。しかし、一つ問題がある。それは彼女がドイツ人であった事だ。
 日本の文学にはまり、本を読みふけり、雨にも負けず風にも負けず、親からの叱咤にも負けず遂に日本へ留学してきた。初めての日本に興奮していた彼女は、富士山を見るでもなく浮世絵を見に行くでもなく古本屋へ向かった。
 そこで手にした本は日本語の初級、中級、上級講座。後は有名な作家の本を数点。学校で見る彼女は常に本とセットであった。
 ではここまでして、ドイツ人である事が何故問題となるのか。実は私にも分からない。彼女が自分で自分を問題視しているのだ。自分がドイツ人である事を嘆き悲しんでいる。
 私は何が問題なのかと散々聞いたが、彼女自身良くわかっていないのか返ってくる返事はいつも同じ「日本人に生まれたかった」そう答える。
 日本人に生まれたからといって文学的になれるものではないと私は思う。それこそ日本人にも外人かぶれの奴もいれば、文字が苦手な者もいる。それと同じでドイツ人だって文学的にはなれるだろう。実際彼女は誰から見ても文学的だ。それをそのまま伝えても彼女は納得はしてくれはしない。
 恐らく何を言っても自分の中で納得しない限り、何も解決はしないだろうと、優しく見守る事を決めた。
 それがある日、彼女は本を手放し友達と若者らしい会話をしているではないか。どうしたものかと聞いてみると、今朝のニュース、ドイツ人の作家が本を出版し、それが日本で大流行したらしい。
 ドイツ人のセンスが日本人を虜にしているのだ、あなたも言っていたじゃない、私は文学的なのでしょう? それならもう勉強する必要性はなくなった。
 そう語る彼女はもはや文学的ではなかった。
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*Comment

 

ブログに訪問とコメントありがとうございます。
早速遊びに来させていただきました。
多国籍な話題に味を感じさせられます。

つくったばかりのブログですが、
まだ更新していく予定ですので、
ぜひまた遊びに来てくださいね。

http://storyofshort.blog.fc2.com/blog-entry-1.html#comment1
  • posted by 不知火 
  • URL 
  • 2015.02/22 08:12分 
  • [Edit]

はじめまして 

ぴぴと申します
宜しくです<(_ _)>

ドイツ人だとか日本人だとかの
こだわりを捨てたとき、初めて
それらしくなれるということでしょうか?

軽いタッチのようで
実は奥深い小説だと思いました
  • posted by ぴぴ 
  • URL 
  • 2015.02/23 19:24分 
  • [Edit]

Re: はじめまして 

コメントありがとうございます。
また次の話を書く励みになりますのでありがたいです。
  • posted by いさび 
  • URL 
  • 2015.02/23 20:02分 
  • [Edit]

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