桜色の人鳥

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即興小説part14【知らぬ間の罪】

最近寝不足がたたって関節が痛いです。
目が見たいものを見させてくれないあたり疲れてます。

時間:15分
お題:知らぬ間の罪
要素:漆黒の翼

【知らぬ間の罪】
 誰もが疑問を持たない。それはそれが当たり前だから。
 マイナス何度なのか分からないが、この南極の寒空の下、何百という仲間、ペンギンが今日も何をするでもなく生きている。
 子を持つ父ペンギンは長い事餌を捕りに向かい、つい最近帰ってきたばかりだ。皆自分の奥さんを見間違えないあたり、何とも愛がある。
 子ペンギン達はどろどろに溶かされもはや下呂のような魚をおいしそうに飲み込んでいる。
 それをみながら私は吐いている。
 この海の中にはシャチやサメ等外敵ばかりで、何故自分がペンギンに生まれてしまったのか神を怨まずにいられない所だ。
 飛べない鳥など泳がない魚のようなものだ。
 水中で見る氷は、太陽の光に反射し、白く薄く透き通った水晶のようで、いつみても飽きない。
 そう前に来た人間は言っていたが、実際に住んでみろ。飽きる。
 太陽の暖かに感謝しながら、頭をからっぽにし、そのまま眠りにつこうかという時、子ペンギン達が鳴きだした。
 腹を空かせ、鳴いているらしい。
 大人達がしょうがないとばかりに歩き出す。
 ちょうど良いので私も眠りにつく前におなかを満たそう。
 氷の大地のあちらこちらには穴が空いていて、そこから海へ飛び込める。しかし最初に飛び込むペンギンはあまりいない。その先に外敵がいた場合殺されてしまうからだ。
 それでも仲間の為最初に飛び込むペンギンを人間はファーストペンギンと呼ぶらしい。
 皆が皆歩くスピードを落とし、他鳥を前へ前へ押し出そうとする。
 誰も飛び込みたくないのだ。出来れば自分以外の誰かが飛び込んだ後に、安全を見てから飛び込みたい。そう誰もが思っている。
 もちろん私も。
 その時、どこからまぎれていたのか、子ペンギンが両の足を精一杯動かし、群れの中から飛び出した。
 その子ペンギンは穴に吸い込まれるように近づいていき、そのまま落ちた。
 誰もが穴に注目していると、足元の氷が妙に赤く染まった。
 穴の中からぷかんと、血でさらに黒く染まった残骸が浮かんできた。
 それを見た仲間達は別の穴を求めまた歩きはじめる。
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