桜色の人鳥

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即興小説part17【囚人】

男だってひなあられ食べたいですよ。
というわけで200円で買ってきました。
やはり美味い(^_^)

時間:15分
お題:囚人
要素:なし

【囚人】
 薄暗い、今にも天井が崩れて自分を押しつぶしてしまうのでは無いかと言うほどボロボロの牢屋。檻の内側にはボロボロでところどころ黄ばんだシーツがしかれた硬いベッドが一つに、排泄物を入れるバケツがあるだけだ。
 この牢屋の中で唯一の娯楽と言えば、たまに現れる鼠と対話を試みる事とベッドの中で静かに妄想する事だけである。今日は鼠を一度も見ていない。もしかしたらどこかで別の囚人と会話をしているのかもしれないな。仕方ない、今日はベッドに転がって旅をしよう。

 私はどこかしらの都市、その大通りに立っていた。周りには憲兵らしき人物らが自動小銃を抱えて冷たい目でどこを見るでもなく立っている。一般人らしき人影は一つとして無い。現状を確認していると、憲兵は私に近づいてきた。そして銃を構え私と同じ国の言葉で話し始めた。
「お前は誰だ! 何処から来た!」
私は咄嗟にその男から銃を華麗に取り上げ蹴飛ばし気絶させてやった。すると周りの憲兵が銃を構えて走ってくる。だがそれがどうしたとばかりに私はさっき奪い取った銃で円を描くように、周りを掃射した。さっきまで殺意を向けてきていた憲兵達は次々と倒れ最後に立っていたのは私だけであった。
 気絶させていた男を叩き起こし、「この国は今どうなっているのだ」と問うと、男は私に怯えながら答えた。
 どうやらこの国は一人の独裁者により支配されてしまったらしい。若い男は全員こうして武装させられ、住人は逆らう事を許されないらしい。なるほど、ならば私がこの国をかえてやろう。そうと決まればまずは仲間を集めなければ。よし、ではこれから私による革命を始めよう。

「おい、起きろ」
牢屋の外から鼠の声がした。仕方なしにベッドから起き上がり、目を開けると、鼠が銃を構えて立っていた。
「飯だ」
鼠はそういうと、なんだか良くわからない色をしたどろどろのスープを差し出してきた。私は鼠に対して「ありがとう」と言ったが。鼠は答えずそのまま隣の牢へスープを運びに消えてしまった。
 また今回も対話は成立しなかったか……。まあいい、私はここから出ることは出来ないのだし、時間はたっぷりある。頼むから誰か私と会話をしてくれないか。
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*Comment

鼠と会話 

とても面白かったです。
知らない国へ行って銃を撃ちまくったり、革命しようと思ったとたん現実に引き戻されてしまったり。
銃を持つ鼠が食事を運んでくるのも、そして会話が成り立たないのも、どこか風刺的で面白い……。
  • posted by さやか 
  • URL 
  • 2015.03/05 20:28分 
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