桜色の人鳥

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即興小説part23【賢い妹】

時間:15分
お題:賢い妹
要素:ペットボトル

 人類の進化には様々な種類がある。その最たるものは技術力の向上による生活の変化だ。
 石器や銅を使っていたとは思えぬ現代の人間社会。テレビや携帯電話が当たり前になっている。もちろん私も持っている。
 火をつけるにしてもライター一本あれば家一つ燃やせてしまうあたり、取り扱いには注意が必要なものがありふれてしまったともいえる。
 そんな現代において、私が注目しているのはペットボトル。瓶や缶では大きくしてしまうと、重くて持ち運ぶのに不便であり、その点ペットボトルは様々な大きさに加工するのが容易で軽い。
 素晴らしい人類の進化ではないだろうか。
 だがペットボトルには、まだ様々な可能性が眠っていると私は考える。
 今まで人類が引き出したペットボトルの可能性としては、ペットボトルロケット。ただ飲料水を入れる為だけに作られたペットボトルを、玩具に変えてしまうとは驚きだ。
 他にもトイレに行きたいが近くにトイレがない場合、ペットボトルさえあれば簡易トイレとして使える。
 さらに砂や砂利、石などをつめこんで簡単なろ過装置を作る事が出来る。また、それを鈍器として使用する事も出来るかもしれない。
 このようにペットボトルは様々な形に利用できる。私はそこで思った。ペットボトルの可能性は無限だと。
 私はいまだ眠ったままのペットボトルの可能性を引き出すことに情熱を燃やした。
 ペットボトルのカーブ部分を綺麗に切り取り、接着剤で花の形にしたインテリアを作ってみたり、つなぎ合わせてヘルメットも作った。
 サンバイザーも作ったがUVカットしない事に後で気づいた為、部屋に隅に眠っている。
 私の探究心は日を増すごとに強くなっていった。そんな私を家族は変人扱いをする。しかし、偉人には変人が多い事もまた事実。試さねば次の一歩はない。
 そんなある日、私は妹の為にペットボトルで帽子を作った。透けて見える帽子とは革命的ではないか。
 すぐさま妹の部屋に行き、帽子を渡した。ところが妹はそれを拒否し、私に向かって口を開いた。
「ペットボトルは何の為に開発されたかをもう一度考えて。全ての事柄に手を入れるのは間違ってる。あるがままが一番な事もあるんだよ」
 私は妹の言葉を聞いて考えた。
 ペットボトルとは何故この世に存在するのか。それは人類がそれを欲したからだ。では何故欲したのか。
 次から次へ答えが出ては疑問が浮かぶ自問自答に悩まされる。私は一週間部屋に閉じこもってペットボトルについて考え続けた。
 そして私は最後の答えに行きつく。
「ペットボトルとは宇宙だ。そこに答えはない。答えがないのが答えだ」
 妹のあるがままという言葉が脳にしみこんでくる。私のような一市民にはペットボトルは強敵すぎた。手を出すべきではなかったのだ。
 私はペットボトルを全てゴミにだした。
 ペットボトルが強敵だったならば、ランクを下げて考えてみよう。
 私は代わりにゴミ捨て場から大量の缶を拾い家に帰った。
 次は缶の可能性を引き出して見せよう。
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