桜色の人鳥

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初の試みBL小説【否定】

今日は即興小説ではなく、初挑戦のジャンル「BL小説」です。
というのも、元々書くことはないだろうと思っていたのですが、知り合いの方がBL小説を書いていまして、話をしている内に一度位は挑戦してみようと思ったのがきっかけです。
では初の試みという事でお恥ずかしい出来になっておりますが、よろしくお願いします。

BL小説を書いている皆様へ。
申し訳ありませんでした。

※それと毎度の如く、読み直しはしていません。誠に申し訳ない。

【否定】
 平均的で一般常識があり、健康に気を使っている人間はこの時間に飯を食いはしないであろう時間。
 中々火がつかないガスコンロに向かって罵声を浴びせつつも、いじる手は丁寧に壊さぬように火をつける。
 そこに雑な動作でフライパンを載せ、油を少なめにたらす。今更油を少なめに使った所で壁の油汚れをどうする事も出来ないのは分かっているが、そこは気持ちの問題である。
 熱がフライパンの表面を駆け抜け、油を慌ただしくさせる。
 頃合いを見て、卵を片手で割り投入する。が、殻が混入し素手で取り出す。誰もいない部屋で恰好つけなければ良かった。
 ぐじゅぐじゅと油が卵を胴上げし始め、透明な白身(しろみ)は名の通り白く堅くなり始め、完成の頃合いを教えてくれる。そこにいつ買ったのか覚えていないほど古い塩コショウを降りかけた。もちろん消費期限は切れている。
 目玉焼きとこの料理を呼ぶが、名前を発案した奴は相当目玉が食べたかったイカれた奴なのだろう。でもなければわざわざ目玉何て名前つけないのではないか。他に例えようがあるではないか、「お月様焼き」なんて何処か風情が……ないか。
 それにお月様だって食べ物では無いではないか。目玉よりも惑星を焼いて食べる方がよっぽどイカれている。
 自分でも下らない事を考えているなと感じながら、出来たお月様焼きを食パンという偉大な大地へと乗せた。
 さぁ、この惑星と大地を私のダークホールのような胃袋へと押し込もうとした時、異変が起こった。
 胃袋の下辺り、腸内戦争が起こり始めていたのだ。
「伝令! 大変です肛門大佐! 排泄軍が攻めてきました!」
「何だと! あいつら二日間おとなしくしていたと思ったら、軍を集めて いたな!」
 慌てふためく腸内で大腸少佐と肛門大佐が急いで脳閣下を呼び出した。
「脳閣下、大変です。排泄軍が数を増やして 攻めて来ます。どうか本体 へ伝令を」
 脳閣下はそれを黙って聞き静かにうなずいた。懐から通信機を取り出し、私へ伝令を送る。
直後、私は激しい便意に襲われ、目の前の料理に愛おしげに「必ず戻る。だから待っていてくれ」と、再開の約束を交わし、トイレという戦場へ向かった。

しばらくし、排泄軍を全て薙ぎ倒し勝利を収めた我が体は、適度な疲労と達成感に満ちていた。
 さあ、あの時の約束を果たそう。恐らく私の帰りをほのかに暖かい体で待っていてくれているはずだ。
 感動の再開とテーブルの上に目を落とすと、そこには私の帰りを待つ料理の姿はなかった。
 代わりに唇の端にパン屑を付けた男が一人、満足そうな顔で笑っていた。
 約束を交わした料理はもういない……。喪失感にうなだていると、憎たらしい事にこの男は「ごめんねー」と、大して悪びれた様子のない謝罪をしてきた。
 思えばこいつといて、ろくな思いをした事がない。大学で初めて会った時から妙に馴れ馴れしい奴だった。後に私に彼女が出来て、人生正に有頂天という時期だというのにデート中でも電話をかけてくる。その度に彼女に断ってトイレで電話した。それがたたって浮気していると思われ、結局その彼女とは別れてしまった。
 大学の学食を眺めながら窓を眺めていると、彼女が他の男と歩いているのを見たのは別れた次の日。愛しい気持ちと、もう違う男が横にいる戸惑いで複雑な気持ちであった。
 後に聞いた話だが、彼女は私と付き合っていながら別の男とも関係を持っていたそうだ。
 結果的には、こいつのおかげでより辛い思いをする前に別れられたのだが、やはりイラつくものはイラつく。
 トイレに行けば必ず付いてくるし、授業は必ず隣に座る。正直やかましい。
 呑みに行った時も何故か唐突にポッキーゲームをしようと狂いはじめ、どこから出したのかポッキーを取り出した。
 無理やりポッキーを咥えさせられた為、渋々つきあってやったのだが、ポッキーの長さを見極めそろそろ折ろうとした時に、あろう事かこいつはいきなり加速し、私の体が反応する前には既に唇同士が抱擁を交わしていた。
 ポッキーを咥えているため唇に隙間が空き、そこから舌が侵入し、私の舌に巻きつく。何が起きたか整理する暇もなく、私の脳味噌はカニ味噌の如くとろけてしまった。
 ただ一つ覚えているのは、チョコが口の中で溶けて甘かった事だけだった。
 無駄にキスが上手い事にもイラつく。
 そんな私の気持ちなど露知らず、こいつはいつも気が付けば隣にいるのだ。
「今日は何の用だ」
 私は睨みつけながらイライラを装飾した言葉をぶつける。
 しかしそんな事おかまいなしと、イライラを受け流しながらこいつはへらへらと笑っている。
「今日はワインを持ってきたんだ!」
「酒だと? 私は酒が飲めないと言っていただろう」
「まあ、一口くらいならいけるって」
 私が拒否する暇もなくこいつは紙コップに注いだワインを手渡してきた。
 私が飲むのを躊躇っていると、こいつは目の前でビンごと口につけ、ごくごくと阿呆みたいに煽り、私を挑発してくる。
 こいつに馬鹿にされてはこの世の終わりだ。それこそ輪廻転生も恥ずかしくて出来やしなくなる。
 私は恐る恐る紙コップのふちに唇をそっとくっつけ、徐々に傾けていく。ワインの独特な匂いが鼻の裏にひっつき、おもわず顔をしかめてしまう。
 しかしここで負けるわけにはいかない。舌先をちょろっと出し、舐めるようにワインをすすっていく。
 そんな私の様子をこいつは楽しげに見つめてくる。
 眉間に皺を寄せ、ぐっと睨み付けた瞬間、妙に頬がふくれた顔が迫ってきた。
 私の唇に舌をねじ込むと、ワインを流し込み私が飲み込むまで離してはくれなかった。
 酒に弱い私は一気に脳味噌が溶け出し、こいつの技術もあいまって後ろ向けに倒れてしまった。
 耳の奥の方で私の嫌いな笑い声が響く。
 ぼんやりとした意識の中、私は呟く。
「お前は何故……私に構うのだ……」
小さな呟きではあったが、こいつの耳には聞こえていたようだ。
「もちろん親友だからさ」
 親友か……。思えば私に友人と呼べる人物はいただろうか。思い返す記憶、どれもこれも、こいつが隣にいた。
 顔が赤いのは、こいつに対する怒りと、酒のせいだろう。決してこいつを認めた訳ではない。
 親友……今は否定する気力もない。
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*Comment

 

僕くんの賞味期限切れの塩コショウを使ってしまうところが好きです。
こいつくんと早くくっついて欲しいです。
  • posted by 星丘ルル 
  • URL 
  • 2015.02/10 21:44分 
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