桜色の人鳥

適当理論と小説置き場。たまに日記。小説を読むときはカテゴリ「目次」から。

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ハッピーハロウィーン

少し遅めのハロウィン合作小説です。
今回も北海道のウシジマ君こと「田機田宗田」さんにお手伝いお願い致しました。

テーマはハロウィン
そしてさらにテーマを混ぜる

田機田宗田:カップラーメン
黒木ノ桜:蜜柑

もうテーマだけ見たら訳わかんないけどやればできる。
私が先攻で交互に文章を繋いでいきました。


~本文~

クロキノ
独り暮らしのおんぼろアパートで万年床に寝そべりながら私は待っていた。
胃袋はキィキィと泣き喚き早くしろと脳に訴えかけている。
「もう少し待つんだ」
口に出して胃袋に言い聞かせるがそれで止まるはずもない。そうしているとやかんから悲鳴があがった。

タキダ
すぐさまやかんを手に取った後、私がすぐさま準備していたカップラーメンの中に注いだ。白い湯気がたち、麺がお湯に浮き上がる。硬めが好きな私は少し湯を入れすぎないように注意する。ここだ、というところでやかんを引き上げて蓋をした。だが、手を放すと急にふたが浮き上がる。こういうことはたまにあるので、何か上にのせようと思いあたりを見回すとミカンがあったので、そいつを上に乗せた。

クロキノ
カップラーメンの容器には三分と書かれているが私が蓋を開けて汚れの無いその麺の中に箸をねじ込むのは二分後だ。
何故なら先程も言ったが硬めが好きだからだ。男にとって何事も硬めが良い。硬派な男はモテるのだと誰かが言っていた。
重しに使った蜜柑は温まってしまい不味くなってしまうがこれもまた仕方がない事だ。カップラーメンと蜜柑の間には越えられない壁がある。必要な犠牲なのだ。
しかし突然蓋の上に置いていた蜜柑の皮が破裂し生暖かい果汁と共に私に襲い掛かった。
しまった!熱すぎたか!

タキダ
まさかカップラーメンの上にミカンを乗せるなんて。こんな事実、今すぐブログに書きたい位のライフハックネタだけど、それで私やブログを読む誰かのライフの何をハックできるのか分らないので、そのままミカンを取り除こうと手を伸ばした。触ってみると、ミカンはまったく熱くない。熱で破裂寸前になっていると思ったが、どうやら違う様だ。と思ったのもつかの間、ミカンが急にしゃべった。「あついわ、いや、まじで」

クロキノ
私の目の前で蜜柑が言葉を発している。これは夢か現実か?いや、こんなベタな事を考えても仕方がない。現実なのは明白なのだ。
しかし何故蜜柑が話し始めたのだ。一人暮らしが寂しい思いをしている私に神様が同居人を与えてくれたのだろうか。もしくは犠牲にされた蜜柑の怨念が宿り復讐するために意思をもったのか?
「みかんをカップメンの重しにするとかマジないわ。ひくわ」
やけにフランクな蜜柑はまだしゃべり続けている。さすがの私も蜜柑にディスられ続けるのは我慢ならない。
「蜜柑が話しかけてくるのもマジないわ。いやまじで」
とりあえず口調を真似してディスりかえしてみた。

タキダ
「嘘だろ・・・」
思わず声にでたが、それぐらい驚いたのは間違いない。なにせ、こいつはしゃべるのはおろか、いきなり上下関係まで要求し始めたのだ。しかも、この蜜柑からみて、私は明らかに下らしい。そんなばかな。
「ちょっとまって、いや、だっておまえさっき」

クロキノ

どうやら発言の自由さえ奪われてしまったらしい。ここで反抗してみせるのも良いがそれでは話が進まないだろう。決して蜜柑に負けた訳ではない。寛容な心で許してやったのだ。蜜柑は私が黙ったのを確認すると話を続けた。
「聞きたい事は沢山あるだろうがとりあえず今日はハロウィンだからって事で納得してくんない?」
納得出来る訳がない。ハロウィンである事に今気が付いたがだからといってどうしてハロウィンに蜜柑なのだ? 普通カボチャではないのか? というよりこいつは何のモンスターなのだろう。蜜柑男?オレンジマン?オランジーナ?
「それで私に何の用だ?」
「シャラップ。二点減点な」
私の扱いが点数制である事に驚いた。

タキダ
「ちなみに3点目でえらいことが起こるから」
「えらいことって、一体何ですか」
一応警戒して敬語を使うと、カップラーメンの上に乗ったミカン先輩は転がり、少しだけカップの端に移る。きっと、真ん中よりましなんだろう。
「爆発だ」
「それってさっきと同じですか?」
「いや違う、それよりももっとデカイ」
今いる場所も熱くなってきたのか、お喋りな蜜柑は次の隅に転がる。
「やばいやつだ。たぶんお前が死ぬレベルでやばい」
死ぬレベルと言われて、はいそうですかと答えれる訳がない。
「なんでそんなことするんですか?」
「熱いし、ハロウィンだから」
「ハロウィン?」
「決まってるだろ、トリックorトリートだし、あと熱いし」

クロキノ
「何か差し上げればよろしいんですか?」
「それを考えるのがお前の役目だろう」
そんな事を言われても思いつくのはお菓子だけだ。しかしこの家にはお菓子などない。あったのは目の前にあるカップラーメンと蜜柑だけだ。その蜜柑も今となってはただの危険物になってしまった。
さてどうすれば良いものか。あまり時間をかけて蜜柑先輩の機嫌を損ねるのも危うい。とにかく自分の感を信じ急いでお菓子を買ってくるしかないだろう。
私は着替えもせずポケットに財布を詰め込みアパートから飛び出した。
十月末という事もあり冷たい風が肌を刺す。今すぐ部屋に戻って布団の中に潜り込みたくなるが、そうなると蜜柑のせいで一生起きてはこれなくなるだろう。
私は駆け足で街に繰り出した。カボチャのランタンや仮装した人達、そして楽しそうな笑い声が後ろに流れていく。ハロウィンという事もありどこに売っているのも今日限りのカボチャ味のものばかりで値段もそれなりに高い。私の手持ちでは足りるには足りるが大打撃である。
どうにか安くお菓子を売っている場所は……そうかコンビニだ!
私はコンビニを求め走った。しかしどのコンビニも仮装したヤンキー共が占領しており近寄れない。もはやコンビニでなくともよい。誰か私に安くお菓子を売ってくれ!
やけくそになっている私の近くで声がした。
「トリックオアトリート!」
振り向くと子供が大人にお菓子をねだっていた。それを見て私は一つの案が浮かんだ。私も無料でお菓子をねだれば良いのだ。
自分の恰好を見て思いつくのは浮浪者だ。しかし浮浪者も立派な仮装に違いないだろう。私は沢山の人に手当り次第「トリックオアトリート」と話しかけた。しかしどの人も私を浮かれた祭りの一般人としか思っていないらしく笑顔であしらっていく。
そうやって街を走り回っている内にいつの間にか楽しくなってきていた。いつも見る街とは違って今日は笑顔と悪戯にまみれている。そんな空気に私ものまれていた。
ああ、ハロウィンとはこんなにも楽しいものであっただろうか。

タキダ
そう思って、通りの角を曲がった瞬間、再び僕は叫んだ。
「トリックオアトリーート!!」
すると、その陰はすぐさま答えた。
「おまえは何をやっているんだ」
そこにいたのは、カップラーメンの上にのったミカンだった。
私はつい真顔に戻った。恥ずかしい。なぜかミカンに諭されて素にもどったことすら恥ずかしい。
「・・・あの、すいません」
「いやいいけどさ、お前なにやってんだよ」
「いや、お菓子を探してたんですけど、実はお菓子が買えなくて、それで・・・」
私がおずおずと答えると、あきれた様にミカンは溜息をもらした。
「いや、おまえな、お菓子とかいらないから」
「え?」
「いやだから、おれ、最初なんていったよ?」
「え・・・と」
僕が思い出していると、ミカンは再び呆れたように言った。
「だから、おれ、最初から言ってるじゃん、”熱いから”って」
私はハッとした。たしかに、ミカンは最初から熱いといっていた、そして、暑そうにカップ麺の上を転がっていた。ついでにいうと、なんでカップ麺の上なのか愚痴までこぼしていたじゃないか。
「すいませんミカンさん、今まで気が付かなくて」
「いいよまじで、ていうかさ、はやくやっちゃってよ、まじあついんだわ」
「わかりました、それじゃぁ・・・・」
僕は暑そうにカップの隅を転がり続けるミカンに手を伸ばした。これでこのハロウィンも終わる。しゃべるみかんともおさらばできる。そう思うと、なんだか楽しくなって、つい渋谷公園前ではしゃいでいた大学生の気分になってしまって───
「───ウェエエイイイ!!」
「はい3て~ん」
その瞬間、世界は黄色にそまった。

~END~

最中完全にハロウィンというテーマを忘れておりました。
よく分からない始まりから最後はコメディチックに終わって満足です。
とりあえずこれでハッピーハロウィーン!!
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*Comment

NoTitle 

ミカン爆破後の世界は続編ですね
  • posted by タキダソウタ 
  • URL 
  • 2015.11/04 22:04分 
  • [Edit]

Re: NoTitle 

余裕ですね。
  • posted by 黒木ノ桜 
  • URL 
  • 2015.11/04 22:20分 
  • [Edit]

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